産卵場・流下調査 - 調査経過

<産卵場の位置>

このボートによって産卵場の位置を調べる調査を明治用水水頭首工の下流で2008年から3年間実施し、アユの産卵場は葵大橋付近から矢作橋(河口より22~32km)にかけて確認しました。1960年頃にはアユの主要な産卵場は河口から10km上流の米津橋付近にあったともききますので、この40年間でなぜか産卵場所が上流に移動したとみられます。
 
 

<矢作川の流下数と他河川との比較>

2000年以降の毎年のアユ仔魚の流下数を河川流量のデータを用いて計算した結果、1000万尾から11億尾の範囲にあると推定できました。2008年以降は同じく三河湾に注ぐ豊川でも愛知県水産試験場によって調査が開始されています。2つの河川の流下数を比較したところ、いずれの年も矢作川の流下数は豊川のそれの3~4分の1にとどまっていることがわかりました。河川の規模としては矢作川の流域面積は豊川の2.5倍、幹線流路延長が1.5倍と矢作川の方が大きいにもかかわらず、矢作川での流下数がはるかに小さくなっています。アユが産卵する環境としては矢作川に課題が多いようです。
 
 

<流下数と翌年の遡上数との関係>

流下数と翌年の明治用水頭首工での遡上数の関係をグラフにしました。仔魚の流下数が多いと遡上数が多くなるはっきりとした関係はみられていません。他の河川の調査結果からも同様な傾向がみられており、遡上数に影響する最も大きな要因は海域でのアユの餌となる動物プランクトンの発生量など海の環境条件と考えられています。